材料信頼性工学研究室 本文へジャンプ
主な研究テーマ
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本研究室で,博士課程・修士課程および学部4年生が取り組んでいる主な研究テーマの紹介です.

物理的及び化学的処理を施した天然繊維強化複合材料の機械的特性
 D1新田悠二,M1阿形精三
環境問題が地球規模で問われる現在,GFRP等の代替材として,環境に負荷が低い天然繊維を強化材としたグリーンコンポジット(GC)が注目を浴びている. しかし,GCはGFRP等に比べ機械的特性が劣っており,使用用途が限られているのが現状である.そこで,強化材である天然繊維に人工繊維では実現できない特性を付与することでGCの適用範囲を広げることができると考えられる. そのため,強化材に化学処理(アルカリ処理)と力学処理(フィブリル化)を施した天然繊維を使用した複合材料を作成し,その機械的特性の調査を目的とする.

A new method for continuous production of ramie yarn reinforced composites
D1キムヒョンボム, M1 木村修一郎
 Glass fibers, one of the representative reinforcements for polymer matrix composites, have many excellent physical and mechanical properties such as low density, heat resistance, wear resistance, high specific strength and stiffness and so on. Glass fiber reinforced composites have thus been investigated for many years because of their huge demands in industry. On the other hand, they have disadvantage such as difficulty in disposing at their final lifetime. Global environmental problems and energy shortage have brought the focus of making alternative materials from biomass resources all over the world. Natural fibers have become suitable alternatives to glass fibers. They are abundant, biodegradable, renewable, and have similar specific properties to glass fibers. Thus, there has been increasing attention to improvement of natural fibers as reinforcement of polymer matrix composites that can be replaced for petroleum-based fibers dominated in various fields so far. In this study, the continuous ramie single yarn reinforced polypropylene (PP) composite strands were developed using a new and relatively simple technique. The strands were pelletized and injection-moulded, and their tensile properties were investigated.

繊維強化セラミックスの高靱化と損傷進展シミュレーション
 D1喜多村 竜太
 セラミックス基複合材料(CMC)は,界面すべり摩擦により高靱化を実現した,優れた高温用構造材料である. また,静的荷重下に加え,クリープや疲労負荷過程におけるCMCの力学応答を明らかにすることは,材料信頼性の向上に不可欠である.そこで本研究では,界面に4重節点を導入することにより界面すべりを考慮したFEM解析モデルを構築し, 同モデルを疲労負荷下におけるCMCに適用することで,ヒステリシスループの発現機構を追求した.

ラミー麻/PPグリーンコンポジットの機械的特性に及ぼす繰返し2軸引張負荷効果
 M2川本俊幸,M1坂田裕介
 環境に優しい複合材料であるグリーンコンポジット(GC)は、従来使用されてきたガラス繊維や炭素繊維と熱硬化性樹脂を複合化させたGFRPやCFRPと比較して強度や剛性が劣り、 幅広い普及には至っていない。そこで、本研究では、GCの高強度、高剛性化を実現するため繰返し引張負荷処理を行っている。また、構造部材への使用を想定するならば,異方性を低減させ繰返し引張負荷処理効果を等方的に発現させることが求められるため、 二軸同時繰返し引張負荷処理を施すことで異方性を低減させることを検討している。 イメージ

竹材のセラミックス化と機械的特性の評価
 M2稲永聡太
 近年,天然物由来の材料であるグリーンコンポジット(GC)の実用化が期待されている. 現在のGCは,天然繊維と熱可塑性樹脂を複合化したものが主流であるが,耐熱性が低いため,用途が限られてしまう. 本研究では,枯渇しやすい他の木材資源に比べ,成長が速く,枯渇しにくい竹を用い,耐熱性向上と高強度化を目的としたセラミックス化を行う.また,それを用いた複合材料の機械的特性の評価を行っている.

VaRTMの2次元流れを利用したフィラー添加複合材料の創製
 M2古谷優太
 VaRTMとは,真空含侵工法のことであり,真空中で繊維に樹脂を含侵させるため,気泡が入らないという特徴がある. VaRTMによる流体の含侵はこれまで様々な研究で行われているが, スラリー(個体と流体の混合物)の含侵のメカニズムはあまり報告されていない.そこで本研究では,フィラーとしてセルロース繊維を樹脂に混合しVaRTMで繊維に含侵させ複合材料の創製を行う. 作成した複合材料の強度評価を行うとともに,スラリーの含侵メカニズムについて調査を行う.

フィブリルラミー/PVAサンドイッチ構造体の機械的特性
M2平川 大祐
 現在,地球規模での環境問題が問われている.環境に与える影響が大きいCFRPやGFRPの代替材として,環境に負荷を与えない天然繊維を用いた複合材料への注目が集まっています.  そこで,本研究では,高強度天然繊維であるラミーの織布の間にラミー繊維にフィブリル化を施したにフィブリル化ラミーを生分解性であるPVAで挟み込むことにより,フィブリルラミー/PVAサンドイッチ構造体とするグリーンコンポジットを作製し,その機械的特性について明らかにすることを目的としています.

廃ガラス/ラミー麻ハイブリッド複合材の創製と機械的特性
 M2林 哲也
 ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)は、環境負荷が大きく、リサイクル方法や廃棄方法の確立が急務となっています。 また、GFRPの代替材として注目されている天然繊維と熱可塑性樹脂の複合材は、GFRPに比べ強度が劣ることが問題となっています。そこで本研究では、強化材にGFRPから取り出された廃ガラス繊維と天然繊維のラミー麻、 母材に熱可塑性樹脂のポリプロピレン(PP)を用いたハイブリッド複合材を創製し、機械的特性の調査を行っています。

十字型SFC二軸引張試験法の開発と繊維多重破断挙動の解明
 M2 平本 裕太
 今日では,CFRPの用途はレジャー用品から航空機の一次構造部材にまで拡大している.この中で,一方向CFRPは特に強度を要する部材の基本エレメントであり,一方向CFRPの破壊機構に関する研究が盛んに行われている. そこで本研究では,樹脂中に単繊維を埋め込んだ単繊維CFRP試験片の引張試験装置を開発するとともに,繊維軸方向の引張試験を実施した.そして,試験片中の炭素繊維の破断様相について観察を行うことで,一方向CFRP中での繊維破断の機構を明らかにすることを試みた.

繊維結合型セラミックスの圧縮試験による力学特性解明
 M2 山根 誠
 比強度,耐熱性に優れるセラミックスは,その脆さゆえに利用が制限されているのが現状ですが,繊維結合型セラミックスは, 独特の破壊形態により脆性が改善され構造部材としての利用が期待されます.しかし,繊維結合型セラミックスの圧縮負荷における力学特性には未だ不明な点が多いため,本研究では任意の領域でひずみが取得できるデジタル画像相関法を用いて, 独特の構造に由来する力学特性の解明を目的とします.

竹繊維/PP複合材料の機械的特性におけるひずみ速度依存性
 M1田村 友也
 本研究では,強化材に竹繊維,マトリックスに熱可塑性樹脂であるポリプロピレン(PP)を用いた環境に優しい複合材料「グリーンコンポジット」を作製し, その複合材料の引張試験を行っています,また,材料の実用化の際には,車の衝突などの衝撃的な外力を考慮する必要があるため,ひずみ速度の影響を調査することが重要である. そこで,引張試験の際に引張速度を変化させ,機械的特性におけるひずみ速度に対する感受性について調査しています.

亜麻繊維スライバーを用いたグリーンコンポジットの力学特性
M1 古家 晃
 環境問題が問われる現在,GFRPの代替材として,環境に負荷を与えない高強度天然繊維を強化材としたグリーンコンポジット(GC)が注目を浴びている. この強化材となる天然繊維は,その初期形態であるスライバーにおいてうねりを有しており,複合化した際にこのうねりが大域的な繊維配向の乱れを起こす. そこで本研究では,亜麻繊維スライバーと生分解性樹脂を複合化し,環境に負荷を与えないGCを作製するとともに,繊維配向乱れを定量的に明らかにし,配向の乱れがGCの力学特性に及ぼす影響を調査した.

繊維未切断円孔を有するCFRPのピン接合部における面圧強度
M1 本山 航也
 CFRPは軽量,高強度などの特徴から構造物への適用が進んでおり,金属などの構造部材との接合が必要となります. その接合方法の一つとして機械的接合が挙げられます.しかし機械的接合を施す場合,材料に円孔を設ける必要があり,これによりCFRPの強度が低下することがわかっています. そこで,繊維を切断するのではなく,湾曲させ円孔を設ける手法を提案し,本研究では同手法を用いたCFRPの面圧強度,および同手法が面圧強度に与える影響を調査します.

グリーンコンポジットの力学特性に及ぼす撚糸構造の影響
M1 桜田 翔平
 近年,地球環境問題の解決策として,持続可能な材料である天然繊維強化複合材料(グリーンコンポジット)の研究・開発に期待が寄せられている. 本研究では,強化材として天然繊維であるラミー麻撚糸に着目し,撚糸構造撚糸の力学特性に及ぼす影響を調査した. 自動撚り機および手動撚り機で作成した撚糸の引張試験を行うことにより撚糸の弾性率および引張強度の測定を行い,撚糸の撚り縮み比をパラメータとして撚糸の引張特性を評価した. さらに,撚糸とPVAを複合させて,撚糸複合材の力学特性について調査した.

クレイナノコンポジットの疲労特性に及ぼすクレイ分散性の影響
M1 松田 祐樹
 近年,ナノコンポジットはマトリックスへ数wt%のナノフィラーを添加/複合することで引張強度などに大幅な向上が認められるため, 様々な構造部材への応用が期待されている.しかし,ナノレベルの分散が不足すると,その機械的特性が低下することも報告されている. 本研究ではナノフィラーにナノクレイを用いてナノクレイ/エポキシコンポジットを作製し,クレイ分散性が疲労的特性に与える影響についてEPMA元素分析を用いて調査した.

   

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